ヒビキとコトネ　幼馴染コンビ

マツコト要素ありです

育成ジャンキーの幼馴染は、昨日も私のおじいちゃんのところにいたらしい。

ホウエンの友達から貰ったというキュウコンとシンオウの友達からのロコンを預けて、相変わらず炎タイプの育

成に励んでいる。カントーのカツラさんから影響を受けたのだろうか。

「マツバさん、友達が一生懸命頑張ってるのっていいですね。」

「そうだね。僕の古い友人もそうだ・・・。」

エンジュの和菓子が美味しいお店の窓際席にふたり。

彼は急に何かを思い出したかのように吹き出した。あの紫スーツの人の事に間違いない。

「コトネー！！！」

「あ、ヒビキ君。」

「やあ、久しぶりだねヒビキくん。」

「久しぶりです、デートですか？」

分かってるくせにいつも聞いてくる。邪魔しないでって言ったのに。

毎週火曜日の恒例行事となったデート乱入は緊張を緩めてくれる。

もうわざと空気読まないようにしなくてもいいよ、ヒビキ。

「うん。君も食べる？」

前と違って余裕のある表情のマツバさんにヒビキも嬉しそうにしていた。

「やった！いただきます。」

ヒビキは和菓子を一気に口に放り込むと緑茶で流し込む。

スナック菓子ばっかり食べてるから甘みが足りなく感じてるかも。

「うまいっすね、俺結構これ好きかも・・・。」

「味わいなさい、もー、せっかく美味しいお店のなのに・・・。」

マツバさんの隣に座ると、ヒビキは連れている見慣れない色のポケモンの頭を撫でた。

銀紫色で青い尾をしたキュウコン。紅い瞳が心地よそうに閉じられる。

「キュウコンのカグツチ。すっごい綺麗だろ！！」

「へぇ、火神の名前なんだね。」

キュウコンといえば高貴なイメージで人に甘える姿を想像した事が無い。

だけどヒビキのキュウコンは『素直』で『イタズラがすき』。図鑑を見せてもらってその性格を知った。

「綺麗な毛並みね、ちゃんと手入れされてるみたい・・・。」

「分かる？ナナミさんに毛づくろいしてもらった。」

ヒビキはポケナビの曜日を見て思い立ったような顔をする。

「マツバさん、今日も再戦しましょう！！」

「よしきた！！！」

二人は手を握り合い打ち合わせをするとヒビキは風のように去ってゆく。

付いていくキュウコンの毛並みの輝きは素晴らしかった。

「コトネちゃん。」

「何ですか・・・？」

「来週はコガネシティの地下にいってみよう。」

「い、いいんですか？」

毛並みを整えてくれる美容師の兄弟がいると聞いていた。行ってみたいと思っていたから丁度いいし。

何より、今度こそマツバさんの近くにいける。

＠　＠　＠
ポケナビからヒビキに電話をかけた。

「ありがとう、ヒビキ君・・・。」

「何のこと？」

「あー、何でもないわ。」

来週のデートを思い描いて夜は更けていく。